大学事典 「キャリアデザイン」の解説
キャリアデザイン
キャリア(個人の生き方や働き方)を自立的にデザインすること,とくに仕事や人生で岐路に立った時に自分のキャリアについて主体的にデザイン(設計)したり,リデザイン(再設計)したりすることとされる(金井壽宏『働くひとのためのキャリア・デザイン』PHP研究所,2002年)。バブル経済が崩壊した1990年代以降,産業界を中心にキャリアやキャリアデザインという言葉が注目されるようになってきた。学校教育においてキャリア教育という用語が公式に使用されるようになったのは,1999年(平成11)の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」以降である。2000年代に入り,就職支援的な取組みとして大学等でも科目の開設が始められたが,当初は正課外の活動として捉えられることが多かった。2003年短期大学の学科名にキャリアの語が登場し,大学の学部においても同年,法政大学にキャリアデザイン学部が設置され,翌年には日本キャリアデザイン学会が設立された。2010年の大学設置基準改正以後,正課内のプログラムとしてキャリア科目を位置付ける大学も増えている。
著者: 江藤智佐子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報