キンカジュー(読み)きんかじゅー(英語表記)kinkajou

翻訳|kinkajou

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンカジュー」の意味・わかりやすい解説

キンカジュー
きんかじゅー
kinkajou
[学] Potos flavus

哺乳(ほにゅう)綱食肉目アライグマ科の動物。メキシコ南部からペルーブラジルにかけて分布する。頭胴長42~58センチメートル、尾長40~56センチメートル。頭は丸く、耳は小さい。前肢より後肢が長い。尾は長く、クモザルのように物に巻き付け、体を支えられる。毛は短く柔らかで、密生する。体は褐色で、個体により濃淡がある。森林樹上にすみ、夜間活動し、数頭が行動をともにすることもある。主食果実で、昆虫、卵のほか、蜂蜜(はちみつ)も食べ、長い舌が採食に役だつ。妊娠期間は4か月弱で、1頭まれに2頭の子を樹洞内で出産する。動物園で飼育されることも多く、23年間の長期飼育例がある。名は、ブラジル地方での呼び名に由来する。

[祖谷勝紀]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンカジュー」の意味・わかりやすい解説

キンカジュー
Potos flavus; kinkajou

食肉目アライグマ科。体長,尾長とも 50cm内外。体は全体が黄褐色で,鼻が黒みがかる。頭は丸く,耳のつけ根は左右に広く離れている。雑食性であるが果実を特に好み,それを食べるに適した長い舌をもっている。また,長い尾で物に巻きつくことができる。夜行性。ほとんど樹上で生活し,昼間は樹洞などにひそむ。行動は比較的緩慢。人間に馴れるのでハニーベアなどの名でペットとして売られている。中央アメリカ,メキシコ,ブラジルなどに分布する。

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