キーブル(読み)きーぶる(英語表記)John Keble

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キーブル」の意味・わかりやすい解説

キーブル
きーぶる
John Keble
(1792―1866)

イギリス国教会聖職者オックスフォード大学教授。教会の霊的性格を無視して上からの改革を押し付けようとする政府に強く反発し、1833年7月14日、「国家的背教」と題する説教で国教会のカトリック的性格を強調し、自主性の回復体質改善を訴えた。これが発端となってオックスフォード運動がおこる。ピュージーニューマンらの共鳴者とともに『時局小冊子(トラクト)』Tracts for the Timesを刊行して情宣に努めた。ニューマンがローマ教会に移ったのちも国教会にとどまり、アングロ・カトリシズム代弁者としてオックスフォード運動を指導した。

八代 崇 2018年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キーブル」の意味・わかりやすい解説

キーブル
Keble, John

[生]1792.4.25. フェアフォード
[没]1866.3.29. ボーンマス
イギリスの説教者,神学者,詩人。 J.ニューマンおよび E.ピュージーらとともにオックスフォード運動に際して指導的役割を果し,19世紀イギリスの教会に多大の影響を及ぼした。詩学教授をしていたオックスフォード大学の聖堂で,アイルランド司教区を削減しようとする議会の動きに反対して,1833年7月 14日に行なった説教『国家的背教』 National Apostasyがオックスフォード運動の端緒であると考えられている。著書には賛美歌集『クリスチャン・イヤー』 The Christian Year (1827) ,説教集 12巻 (75~80) などがある。 69年彼を記念してオックスフォード大学にキーブル学寮が創設された。

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