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背教 はいきょうapostasy

翻訳|apostasy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

背教
はいきょう
apostasy

キリスト教の用語で,ひとたび教会の信条を受入れながらのちにそれを意識的に捨てることをいう。すなわち信仰の全面的否認であり,信条の部分的個条を疑問視したり拒否したりする異端とはこの点で異なる。教会法が至上であった時代には背教は教会当局のみならず国家によっても罰せられたが,今日では教会内部だけの問題である。カトリックでは修道士や修道女が不法に修道生活を離れた場合も背教といわれる。

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デジタル大辞泉の解説

はい‐きょう〔‐ケウ〕【背教】

信じていた宗教を、背き捨て去ること。信仰を捨てること。棄教。「背教者」

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世界大百科事典 第2版の解説

はいきょう【背教 apostasy】

信じていた宗教から他の宗教に転ずること,あるいは非宗教的立場に移行すること。〈棄教〉ともいい,いずれも放棄された宗教の側からの非難をこめた表現として用いられることが多い。主としてキリスト教世界で大きな問題とされた。古代ローマでは皇帝がしばしばキリスト教徒を迫害し,多くの背教者を生じた。はじめ教会は,迫害によって背教した信徒は次の迫害時に殉教すればその罪が許されるとしたが,やがて悔悛することによってふたたび教会に復帰する道が開かれた

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大辞林 第三版の解説

はいきょう【背教】

教えにそむくこと。
キリスト教で、信仰を捨てて他宗教に改宗したり、無宗教になること。棄教。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

背教
はいきょう
apostasia ギリシア語 ラテン語
apostasy英語

いままでの信仰を自発的あるいは強制されて捨て去ること。この場合、無信仰への移行と他の信仰への回心との二つの場合があるが、いずれにしろそれまでの信仰の立場からみた用語であり、裏切り行為としての非難の意味が含まれている。一般に背教は単なる個人的動機としてよりは政治的・社会的脈絡と関連して問題となる。背教者は市民権を剥奪(はくだつ)され(ユダヤ教、古代宗教)、教会組織や共同社会からの追放(キリスト教、イスラム教)が伴う。したがって、政教分離が進展すると背教問題は比重が軽くなる。また複数の宗教の競合が背教の主要条件となるため、排他性の濃い一神教的宗教の場合にとりわけその意味が重い。[赤池憲昭]

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世界大百科事典内の背教の言及

【改宗】より

…後者は痛切な人生体験によって自己の属する宗教に疑問をもつことから生ずるもので,いわゆる〈回心〉に基づいてなされることが多い。西欧世界では,カトリックとプロテスタント相互の間で多くみられ,とくにカトリックから他派へ移る場合は棄教,離教,背教などと呼ばれる。日本では,近世初期のキリシタン弾圧時代に多くの改宗‐棄教者(〈転(ころ)びキリシタン〉)をだした。…

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