ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギユビック」の意味・わかりやすい解説
ギユビック
Guillevic, Eugène
[没]1997.3.20. パリ
フランスの詩人。大蔵省,建設省などに勤務。 35歳のとき処女詩集『水と陸の世界』 Terraqué (1942) を発表,次いで『執行命令』 Exécutoire (47) などを出版。具象的で極度に凝縮された詩句と短く刻まれたリズムで事物の沈黙と世界の神秘への畏怖を歌う。 1950年代には極左の戦闘的文学への急激な傾斜がみられ,散文的で雄弁な『31編のソンネ』 Trente et un Sonnets (54) などを発表したが,やがて以前のスタイルに戻り『カルナック』 Carnac (61) ,『球園』 Sphère (63) ,『とともに』 Avec (66) などを発表。苦悶を克服して真の存在,人間同士の真の連帯に向って歩もうとする力強い意志が示されている。ほかに『夜』 Nuit (83) など。
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