クリアランス(読み)くりあらんす(英語表記)clearance

翻訳|clearance

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリアランス」の意味・わかりやすい解説

クリアランス
くりあらんす
clearance

肝臓または腎臓(じんぞう)が、代謝あるいは排泄(はいせつ)によって、1分間にある物質を完全にそこから取り除くことができる血液量(血漿(けっしょう))のことで、清掃率、浄化率と訳される。通常では腎臓のクリアランスをさし、これを測定することによって、腎臓の排泄機能をある程度、総合的に知ることができる。かりに、ある物質xの尿中濃度をUx、血漿中濃度をPxとし、1分間の尿量をVミリリットルとすると、クリアランス値Cx=Ux・V/Pxで表される。クレアチンの生理的代謝産物として血漿中に含まれるクレアチニンのクリアランスは、男女平均して、1分間に100ミリリットルとされている。検査に用いる物質によって、腎臓の主要機能である糸球体機能と細尿管機能とを分けて測定することができる。

[市河三太]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリアランス」の意味・わかりやすい解説

クリアランス
clearance

清掃係数。腎臓の血漿クリアランスをいう。尿中に排泄される特定の物質について,1分間に何 mlの血漿が完全に浄化されるかを示すもので,この物質の血中濃度,尿中濃度および尿排泄速度から算出され,糸球体ろ過率,腎血流量を求める基本となる。おもに腎機能検査に用いられる。尿素およびクレアチニン濃度から算出される内部クリアランスと,イヌリンなどを静脈注射して算出される外部クリアランスとがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報