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腎機能検査 じんきのうけんさrenal function test

世界大百科事典 第2版の解説

じんきのうけんさ【腎機能検査 renal function test】

腎臓の機能検査法。腎臓は老廃物の排出と,体液の酸塩基平衡浸透圧,電解質濃度などを一定の状態に保つホメオスタシスの働きを担っている。腎臓に異常が生じて,これらの機能が損なわれたとき,腎臓のどの機能がどの程度障害されているのかを知る必要がでてくる。このようなとき行われるのが腎機能検査である。具体的には,タンパク尿や頻尿など尿や排尿に異常があるとき,浮腫や高血圧など腎臓疾患によると思われる症状があるときなどに行われる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腎機能検査
じんきのうけんさ

腎臓の機能を調べることで、左右両腎の機能をあわせた全体としての腎機能を測定する総腎機能検査法と、左右両腎の機能をそれぞれ別個に測定する片腎機能検査法とがある。[加藤暎一]

総腎機能検査法

代表的なものに血中残余窒素測定法、尿素窒素測定法、血清クレアチニン測定法、希釈および濃縮試験、フェノールスルホンフタレイン(PSP)排泄(はいせつ)試験、クリアランス試験がある。血中残余窒素測定法は、血液中に含有される窒素化合物のうちでタンパク質以外のもの(アンモニア、尿素、尿酸、アミノ酸、プリン体、クレアチンなど)を測定する。正常値は1デシリットル中に25~40ミリグラムである。尿素窒素測定法は、尿中の尿素を炭酸アンモニウムに分解し、そのアンモニウムを呈色させて基準液と比較する。正常値は1デシリットル中に8~18ミリグラムである。
 血清クレアチニンは筋肉由来のクレアチンの生理的代謝産物で、糸球体で濾過(ろか)されることによって排泄されるが、通常は尿細管で再吸収も分泌もされないので、この血清クレアチニン測定法は前述の二者よりも鋭敏であり、食事の影響も受けず、腎糸球体機能のよい指標とされる。正常値は男性で1デシリットル中1.1ミリグラム以下、女性で同じく0.8ミリグラム以下である。
 希釈および濃縮試験は水試験ともよばれ、朝1リットル程度の水を飲ませて4時間内に排泄される尿の量と比重を1~2時間ごとに測り、午後はできるだけ水分を制限して翌朝までときどき排泄量と比重を測定する。その測定値の高低から腎機能を判定する。PSP排泄試験は、色素剤を静脈注射して尿に排泄される量を比色計で測定する。正常では2時間以内に60%以上排泄される。クリアランス試験は、腎各部の機能を別々に知ることができる精密検査である。クリアランスとは、1分間に尿中に排泄される物質の量を供給するのに必要な血液量の最小限度を表すものである。検査目的によって種々の薬剤を投与する。臨床的には、前述のクレアチニンの特性から負荷をまったく行わない内因性クレアチニンクリアランスが、ほぼ糸球体濾過率(GFR)として広く用いられる。近年はアイソトープを使ったレノグラムやレノシンチグラムによる検査も行われている。[加藤暎一]

片腎機能検査法

膀胱(ぼうこう)鏡検査法、静注尿路X線撮影法、尿管カテーテル尿検査法などがある。膀胱鏡検査法は、膀胱鏡でインジゴカルミンが左右尿管口から排泄される時間を測定し、左右の腎の機能を比較する。静注尿路X線撮影法は、造影剤を静脈注射し、左右の腎に時間的に現れる造影状態を調べる。尿管カテーテル尿検査法は、膀胱鏡で左右の尿管にカテーテルを挿入し、両腎からの尿を別々に採取して比重や窒素化合物などをそれぞれについて検査するほか、沈渣(ちんさ)(沈殿物)も検鏡する。[加藤暎一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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