ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の工業都市。人口23万9900(2000)。ニーダーライン地方のライン川左岸の段丘上に位置する。近世以来、繊維工業が盛んである。もっとも重要なのは絹織物、ビロード、染色、光沢仕上げ工業で、繊維工業ではドイツの中心である。これと関連する鋳物、機械、釜(かま)のほか、車両、特殊鋼、化学(バイエル)などの工業がある。中世末までは目だたない都市であったが、16世紀以来プロテスタント諸派の被迫害者を多数受け入れ、絹織物工業が確立した。17~18世紀に、現在、市の中心部にみられる格子状街路網の市街地を建設した。州地質調査所、陸水観測所などがある。
[齋藤光格]
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…1860年の英仏通商条約により絹工業に対する保護関税が撤廃されたことにより,他方では労働組合運動の激化や労賃の高騰も加わって,しだいに衰退に向かい,以後イギリスは絹製品の最大の輸入国として重きをなし続けた。 ドイツの絹工業は13世紀にケルンに興り,16世紀後半にはフランクフルト・アム・マイン,17世紀後半にはクレーフェルトKrefeldにおいて栄えたが,フランス人新教徒の移住を機に国家主導のもとにベルリンでの振興が図られ,18世紀末にはリヨンに代わるほどの繁栄を示した。しかし19世紀には安価な労働力を求めて絹織物業はライン川流域諸州に移動し,クレーフェルトとエルバーフェルトElberfeld(現,ブッパータール)がその二大中心地となった。…
※「クレーフェルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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