クロアドフー(その他表記)Croix de Feu

精選版 日本国語大辞典 「クロアドフー」の意味・読み・例文・類語

クロア‐ド‐フー

  1. ( [フランス語] Croix de Feu 「火の十字団」の意 ) フランス右翼団体。第一次世界大戦に戦功十字章を得た在郷軍人の親睦団体だったが、一九三〇年ド=ラ=ロック中佐が団長になると政治色を強めた。一九三六年人民戦線政府により解散を命ぜられ、フランス社会党(PSF)と改称

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改訂新版 世界大百科事典 「クロアドフー」の意味・わかりやすい解説

クロア・ド・フー
Croix de Feu

1927年に香水生産者コティーFrançois Cotyの後援の下に,大戦で戦争十字章を受けたものの親睦団体として組織された。〈砲火の十字団〉の意。30年にド・ラ・ロックFrançois de La Rocque中佐が指導権を握ると大衆的政治団体に変化し,“家族・労働・祖国”というスローガンをかかげて急進的右翼のブルジョア青年を吸収し,もっとも強力なファシズム運動として警戒された。36年,ブルム政府に解散を命ぜられ,フランス社会党と改名政党に転じた。
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百科事典マイペディア 「クロアドフー」の意味・わかりやすい解説

クロア・ド・フー

〈砲火の十字団〉と訳。フランスの右翼政治団体。1927年に第1次大戦に参加した在郷軍人の組織として結成。ド・ラ・ロック中佐の指導のもとで軍事的組織を整備,反議会的なファッショ団体として活動。1936年人民戦線政府により解散させられた。

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世界大百科事典(旧版)内のクロアドフーの言及

【ラ・ロック】より

…フランスの右翼団体の指導者,伯爵。1928年,退役中佐となり,翌29年に旧出征軍人の小団体クロア・ド・フーに加入した。クロア・ド・フーは彼の指導の下で,国民革命を標榜する大衆的政治団体に転換し,左翼から最も危険なファシスト団体と目された。…

※「クロアドフー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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