滑り(読み)ヌメリ

デジタル大辞泉 「滑り」の意味・読み・例文・類語

ぬめり【滑り】

ぬるぬるすること。また、ぬるぬるしたもの。「魚の滑りをとる」
のらりくらりと放蕩ほうとうすること。
連歌俳諧などで、平凡で見所のない句。また、「きぎす」を「きじ」という類の田舎言葉
滑りうた」の略。
[類語](1ぬめぬめぬるぬるぬらぬらぬるりぬらり

すべり【滑り/×辷り】

すべること。また、そのぐあい。「障子の―が悪い」
[補説]「辷」は国字

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滑り」の意味・読み・例文・類語

すべり【滑・辷】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すべる(滑)」の連用形の名詞化 )
  2. すべること。すべりぐあい。
    1. [初出の実例]「いくすべり骨おる岸のかはづ哉〈去来〉」(出典:俳諧・曠野(1689)二)
    2. 「夫は靴べらのすべりが悪いのは、安物のせいではないかと文句をいい」(出典:抱擁(1973)〈瀬戸内晴美〉二)
  3. 退出すること。辞すること。
    1. [初出の実例]「この君のじゅらくを御すべり、高野へ入らせ給ふ時」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上)
  4. ふとん。おすべり。〔和訓栞(1777‐1862)〕
  5. 和船船底に二本並べて打ちつける樫の材で、船のあげおろしの際のすべりをよくするもの。ふつう小船にだけあって大船には設けない。〔席船諸名集図解〕
  6. 江戸後期の大型荷船の表垣立上縁につけて伝馬船の積みおろしの際のすべりをよくする材。樫の木で作る。〔菱垣廻船歓晃丸図解略説(1911)〕
  7. 誘導電動機や整流子電動機で、同期速度と実際の回転速度との差を同期速度で割った値。スリップ。
  8. 囲碁で、三線の石から二線へ、または二線の石から一線へ、桂馬(けいま)または大桂馬に打った形。
  9. 舞台で、張り物や切出しの下部の端につけて、床面との摩擦を少なくする小さな木片ねこ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の滑りの言及

【電動機】より

…この電流と回転磁界の磁束との間に電磁力が発生して,回転子は回転磁界と同方向に回転する。回転子の回転速度Nを,N=(1-s)Nsで表したときのsを滑りという。sの値は無負荷時にはほとんど0であり,全負荷時には小型機で0.05,大型機で0.01の程度である。…

※「滑り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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