クンビサレー(その他表記)Kumbi Saleh

改訂新版 世界大百科事典 「クンビサレー」の意味・わかりやすい解説

クンビ・サレー
Kumbi Saleh

西アフリカのサハラ南縁に,8~11世紀に栄えたガーナ王国の都と推定される都市遺跡。現在のモーリタニア南東部の半砂漠性の地方にある。ガーナ王国の都のあとを,断片的な資料をたよりに探りあてようとする作業が,20世紀になって,主としてフランス人の手で進められ,1914年のフランス人ド・メジエールの発掘以来,たびたび考古学的調査が行われてきた。主要部分は,丘の上の約1km四方の,石造建造物の多い都市遺跡で,その周囲にも,おそらく煉り土の住居集落があったらしく,土器片などが多数発見されている。都市遺跡は,石の円柱のある墳墓モスク,家等の建造物を含み,街路のあとも見いだされる。装身具等の遺物も含め,全体に北アフリカ文化の色彩が強い。もしクンビ・サレーがガーナ王国の都だったとすると,この遺跡は,二つあった町のうちの商人の町だったと思われる。
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関連語 川田

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クンビサレー」の意味・わかりやすい解説

クンビ・サレー
Kumbi Saleh

西アフリカ,マリの北部国境地方にある古代ガーナ王国首都の1つ。起源は明らかではないが,金の産出国として8世紀にはイスラム世界に知られていた。この国には,王城の地としての首都と商業学問の中心地としての首都があり,両者の間には約 10kmの距離があった。この都は後者であるが,王都はまだ発見されていない。金を背景に栄えたこの国は,11世紀後半,イスラム教一派の集団に征服され,一時,再び独立したが,13世紀初頭,スス族によって滅ぼされた。遺跡は破壊されており現存しない。

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