グレート・ウォール(読み)ぐれーとうぉーる(英語表記)great wall

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレート・ウォール」の意味・わかりやすい解説

グレート・ウォール
ぐれーとうぉーる
great wall

銀河分布密度の高い部分があり、それが壁のように広がっていることをいう。銀河からの光を観測すれば、そのドップラー効果による赤方偏移から銀河の後退する速度が決定でき、したがって銀河までの距離を推測できる。アメリカのハーバード大スミソニアン天体物理学センターの研究グループがこの方法で約1万個の銀河の位置を決定したところ、長さ6億5000万光年、高さ1億6000万光年、厚さ1600万光年の銀河による「壁」が見つかった。ここに含まれる質量太陽の1016倍にも相当する。このような大規模構造を説明できる理論はまだ発見されておらず、今日の宇宙論に深刻な問題を投げかけている。

[広瀬立成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレート・ウォール」の意味・わかりやすい解説

グレートウォール
great wall

1980年代末に発見された宇宙の巨大な構造物。銀河系から2~3億光年離れたところに,幅2億光年,厚さ 1500万光年,そして長さが少なくとも5億光年ある,銀河の壁。「万里長城 (グレートウォール) 」のようだということで,この名前がつけられた。ボイドに沿って延々と連なっており,さらに観測を続ければ,長さは 10億光年以上になると考えられている。一様な宇宙からどうやってこれほどの構造がつくられたのかはなぞである。

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