日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケファリニア島」の意味・わかりやすい解説
ケファリニア島
けふぁりにあとう
Kephallinía
ギリシア西部、イオニア諸島最大の島。ケファロニアKephalloníaともいう。面積781平方キロメートル。東側に隣接するイサキ島といくつかの小島をあわせてケファリニア県を構成する。県の人口は、4万0200(2003推計)。県都はアルゴストリオンArgostólion。おもに石灰岩質の丘陵と山岳からなり、最高峰はエノス(古代のアイノス)山で標高1628メートル。海岸線は複雑である。南東部には肥沃(ひよく)な平野が開け、ブドウ、オリーブ、小麦を産する。また商業、海運業が盛んである。古代にはミケーネ文化の一中心地で、マザカルタとダカタに当時の墳墓が残っている。ペロポネソス戦争ではアテネ側につき、のちにアイトリア同盟の一員となった。ローマ征服(前189)以後、断続的ながら長くベネチアの影響下にあった。1798年よりフランス支配、1809年よりイギリス支配を経て、1864年からギリシア領。
[真下とも子]