日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケファリン」の意味・わかりやすい解説
ケファリン
けふぁりん
Kephalin ドイツ語
セファリンcephalinともいう。レシチンに似たリン脂質の一種。ホスファチジン酸(グリセリンの三つのヒドロキシ基のうちα(アルファ)、β(ベータ)が脂肪酸と、γ(ガンマ)がリン酸とエステル結合したもの)のリン酸基にさらにエタノールアミンがエステル結合したものをさす。歴史的な呼称で、今日ではホスファチジルエタノールアミンとよばれることが多い。また、エタノールアミンのかわりにセリンが結合したもの(ホスファチジルセリン)を含めてよぶこともある。細菌から高等動物に至る広い分布を示し、とくに生体膜の構成成分として重要。生合成は、活性化されたエタノールアミンやセリンが、ジグリセリドに転移してケファリンとなる。さらにメチル化されるとレシチンとなる。
[若木高善]