ゲルスドルフ鉱(読み)げるすどるふこう(英語表記)gersdorffite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルスドルフ鉱」の意味・わかりやすい解説

ゲルスドルフ鉱
げるすどるふこう
gersdorffite

ニッケル(Ni)の鉱石鉱物の一つ。広義黄鉄鉱群の一種。深熱水鉱床、正マグマ性鉱床、変成層状マンガン鉱床などに産し、他のニッケル硫化物を伴うことが多い。日本では、新潟県大和(やまと)町(現、南魚沼市大倉)大倉鉱山閉山)、兵庫県大屋町(現、養父(やぶ)市大屋町)夏梅(なつめ)鉱山(閉山)、群馬県勢多(せた)郡東(あずま)村(現、みどり市東町)萩平(はぎだいら)鉱山(閉山)のものがよく研究された。自形正八面体立方体あるいはこれらの集形。命名オーストリアのシュラトミンクSchladming鉱山の所有者ゲルスドルフJohann von Gersdorffs(1781―1849)にちなむ。

加藤 昭 2016年8月19日]


ゲルスドルフ鉱(データノート)
げるすどるふこうでーたのーと

ゲルスドルフ鉱
 英名    gersdorffite
 化学式   NiAsS
 少量成分  Co,Fe,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt,Sb,Se
 結晶系   等軸,斜方直方
 硬度    5.5
 比重    5.98
 色     錫白~鋼灰
 光沢    金属
 条痕    灰黒
 劈開    三方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照

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