コウリンカ(読み)こうりんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウリンカ」の意味・わかりやすい解説

コウリンカ
こうりんか / 紅輪花
[学] Tephroseris flammea (Turcz.) Holub subsp. glabrifolia (Cufod.) B.Nord.
Senecio flammeus Turcz. subsp. glabrifolius (Cufod.) Kitam.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ50~60センチメートル、ほとんど毛がない。根出葉は花期にはなくなる。茎下部の葉は広倒披針(ひしん)形、中部の葉は卵状披針形である。7~9月、茎頂に6~13個の頭花をやや散房状につける。花は径3、4センチメートル。長い舌状花は濃赤橙(せきとう)色で、下方に垂れる。日当りのよい山地のやや湿った草原に生え、本州から朝鮮半島にかけて分布する。縮毛が茎に密生する基本亜種をタカネコウリンギクといい、九州北部から朝鮮半島、中国東北部、東シベリアに分布する。

[小山博滋 2022年2月18日]

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百科事典マイペディア 「コウリンカ」の意味・わかりやすい解説

コウリンカ

本州,朝鮮半島の温帯に分布し,日当りのよい山地の草原にはえるキク科の多年草。茎は枝分れせず,高さ50〜60cm。葉は長楕円形でやや厚く,下部の葉には柄がある。7〜9月,茎の先に,長さ2cm内外のだいだい色の舌状花と筒状花からなる頭花を散房状につける。舌状花は反り返って特有の形を示す。花柄は長くて小包葉がなく,先は太くならない。中部地方高山にはえるタカネコウリンカは,舌状花が短く,長さ1cm内外,花柄の先は太くなり,総包は黒紫色,多数の小包葉がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウリンカ」の意味・わかりやすい解説

コウリンカ(紅輪花)
コウリンカ
Senecio flammeus var. glabrifolius

キク科の多年草で,本州,北九州,朝鮮半島などに分布する。日当りのよい山地の草地に生える。高さ 50cmとなり分枝せず,上部に散房状に数個の頭状花をつける。茎葉は互生し,長さ5~8cmの披針形,根葉はスプーン形で翼のある柄をもつ。頭状花は径 2cmほどで,総包片は紫褐色,舌状花弁は濃い橙赤色で十数個が放射状につき,著しく反転して垂れ下がる傾向がある。

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