コクガ(その他表記)Nemapogon granellus

改訂新版 世界大百科事典 「コクガ」の意味・わかりやすい解説

コクガ (穀蛾)
Nemapogon granellus

鱗翅目ヒロズコガ科の昆虫。開張1cmくらいの小さいガ。幼虫が貯蔵穀物,乾燥食品乾果などの害虫で,家屋倉庫の中にすみ,人為的にほとんど全世界へ運ばれ土着してしまった。野外では,幼虫はキノコ類に寄生する。ヨーロッパでは,ブドウ酒産業にも被害を及ぼす。幼虫が貯蔵中のブドウ酒のコルクに穴を開け,酒を変質させてしまうからである。日本では,幼虫は夏から秋に出現する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コクガ」の意味・わかりやすい解説

コクガ
こくが / 穀蛾
European grain moth
corn moth
[学] Nemapogon granellus

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヒロズコガ科に属するガ。はねの開張9~15ミリメートル。一般に雌は雄より大きい。はねは非常に細長く、前翅褐色黒色の斑(まだら)をなす。ヨーロッパから日本まで広く分布する。幼虫は貯蔵穀物の害虫として知られ、家屋内や倉庫で各種の乾燥食品を食害する。なかでも乾燥シイタケに大害を与えることがある。ぶどう酒貯蔵中にコルクを食べることで、ヨーロッパではよく知られている。野外ではサルノコシカケ科のキノコに寄生する。成虫晩春から初夏と、秋の2回発生する。

[井上 寛]

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百科事典マイペディア 「コクガ」の意味・わかりやすい解説

コクガ

鱗翅(りんし)目ヒロズコガ科のガの1種。開張12mm内外,灰白色,不規則な暗色紋がある。全世界に分布。幼虫は暗褐色で米,麦その他の乾燥した貯蔵穀類をつづり合わせて食害する害虫。成虫は春〜秋に連続して発生する。

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