日本大百科全書(ニッポニカ) 「コフキコガネ」の意味・わかりやすい解説
コフキコガネ
こふきこがね / 粉吹金亀子
[学] Melolontha japonica
昆虫綱甲虫目コガネムシ科コフキコガネ亜科に属する昆虫。本州に分布する。体長25~30ミリメートル。褐色でコガネムシとしては長めである。頭部と前胸は色が濃く、上ばねは淡色で灰黄色短毛に覆われ、粉を吹いたようにみえる。成虫は6月ごろから現れて、クヌギ、クリなどの葉を食べ、夜間灯火に集まる。幼虫は地中で草木の根を食害し、成熟すると50ミリメートルに達する。四国、九州にはこの種によく似たサツマコフキコガネM. satsumaensisがおり、また本州から九州にかけ海岸や川原に近い所に多いオオコフキコガネM. fraterは、背面が一様に濃い褐色で白っぽい短毛で覆われる。南西諸島には別の同属種がいる。
コフキコガネ亜科Melolonthinaeは、広く分布するが、日本には約40種が産し、短楕円(だえん)形で光沢のあるカンショコガネ属Apogoniaを除くと長めの種類が多く、ヒゲコガネ、シロスジコガネは毛の模様があるが一般に単調な色の種類が多い。クロコガネHolotrichia kiotonensisやコクロコガネH. piceaなどは黒色ないし暗褐色で、同属種は南西日本の島嶼(とうしょ)を含め10種ほどおり、ナガチャコガネHeptophylla piceaはやや小さくて明るい褐色。いずれも夏の夜に灯火に飛んでくる。
[中根猛彦]