コマセアミ(その他表記)Anisomysis ijimai

改訂新版 世界大百科事典 「コマセアミ」の意味・わかりやすい解説

コマセアミ
Anisomysis ijimai

アミ目アミ科の甲殻類。日本の太平洋岸の内湾に多産し,つくだ煮にされたり,アジ釣りなどの釣漁棒受網のまき餌として用いられる。体長7~7.5mm。体は透明,やや淡褐色を帯びる。眼は丸く,比較的大きい。尾節は短く,尾肢のほぼ半分くらい,先端に近い中途で著しくくびれ,その後方は円盤状となる。その周囲に18本程度のとげが生じている。このような独特の尾節の形態で,他の種から容易に区別できる。
アミ
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コマセアミ」の意味・わかりやすい解説

コマセアミ
Anisomysis ijimai

軟甲綱アミ目アミ科の甲殻類。体長約 7.5mm。頭胸甲前縁は鈍円形で,眼が大きい。尾節は前半が三角形状,後半が円盤状で,18本内外の小さなとげで縁どられている。この特異な形態によって近縁種から区別できる。日本の中・南部の太平洋岸内湾域に分布し,佃煮として食用にするほか,釣り漁や棒受網のまき餌として利用する。(→アミ類節足動物軟甲類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コマセアミ」の意味・わかりやすい解説

コマセアミ
こませあみ
[学] Anisomysis ijimai

節足動物門甲殻綱アミ目アミ科に属する海産動物。日本の太平洋側に分布する。体長約7.5ミリメートルで、目が丸くて大きい。頭胸甲の前縁が鈍くとがっていることと、前半が逆三角形で後半が円盤状という尾節の特異な形態によって近似属から区別される。尾節の前半部の側縁には約6対、後半部の周縁には約30本の棘(とげ)が並んでいる。雄の第4腹肢の外肢は著しく長くなり、第1節は第2節または第3節の長さの約3倍あり、第3節末端に短い剛毛が2本ある。釣りの撒餌(まきえ)として重要である。

[武田正倫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「コマセアミ」の解説

コマセアミ

 節足動物門甲殻綱アミ目の動物.ニホンアミなどは食用にする.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android