改訂新版 世界大百科事典 「コムカデ」の意味・わかりやすい解説
コムカデ
結合類ともいう。節足動物門の結合綱Symphylaに属する小型の動物で,ムカデやヤスデとともに多足類の仲間に入る。分類学上はムカデと昆虫を結び合わせるような位置を占めるので,結合類と呼ばれた。一見ムカデに似ているが,はるかに小さく,体長1cmを超えない。全体白色で,歩肢は成虫になっても11~12対しかない。体の後端には木の芽状の突起物が1対ある。一般にあまりなじみのない動物であるが,森林の落葉の下にふつうに見られ,腐りかけた落葉,コケ,菌類,バクテリアなどを食べているらしい。全世界から約200種,日本からはナミコムカデHanseniella caldariaなど3種が知られている。
執筆者:青木 淳一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報