日本大百科全書(ニッポニカ) 「コムカデ」の意味・わかりやすい解説
コムカデ
こむかで / 小蜈蚣
節足動物門結合綱Symphylaに属する陸生動物の総称。体長5ミリメートル前後のムカデに似た白色の動物で、その形からこの名がある。また体制は、唇脚(しんきゃく)類(ムカデ類)と昆虫の総尾(そうび)類の中間的な形態をもち、分類上その橋渡し的な動物群として結合類(学名の意味も同じ)という。世界中に広く分布するが、微小動物であるために気づかれない。頭は円形か卵形で、数珠(じゅず)状の小節よりなる触角をもち、目はない。胴部は15から17背板があり、歩肢(ほし)は11対または12対。尾端に太い円錐(えんすい)形の出糸突起を1対もっている。腐植質を食べるが、作物の若い部分を食害するともいわれ、アメリカでアスパラガスの害虫とされたことがある。卵生で、孵化(ふか)したばかりの幼虫は触角は6小節、歩肢7対で、脱皮ごとに体節数の増す増節変態をする。日本ではナミコムカデなど3種があり、全国に分布。
[篠原圭三郎]