改訂新版 世界大百科事典 「コリヤナギ」の意味・わかりやすい解説
コリヤナギ
osier
Salix koriyanagi Kimura
ヤナギ科の落葉低木で,水辺に栽培される。長さ2m内外の枝を集めて,皮をむいて柳ごうりを作る。和名のコリヤナギはコウリヤナギが詰まったものである。朝鮮から移入されたものといわれ,江戸時代には広く用いられていた。雌雄異株で,高さ2~3mになる。葉は長さ6~11.5cm,幅6~18mm。花期は3月。葉が展開するよりも早く,細い円柱状の尾状花序を出す。雄花序は長さ2~3cm,雌花序は1.5~2.7cm,苞の先が黒色で,初めは花序全体が黒色に見える。兵庫県豊岡が名産地であるが,高知・長野県などでも栽培される。バスケット,果物かご,いすなどをつくるほか切花にもする。なお近縁のイヌコリヤナギS.integra Thunb.が日本にも野生するが,こうりは作らず切花にする程度である。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報