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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
竹や柳,葛(かずら)などで編んだかぶせぶたの箱で,衣類などを入れ,旅行や移動の際にも使われる。行李という言葉は漢語で役所の使者とか旅行者,旅行の荷物などの意味がある。日本ではおそらく,最初は旅行の荷物の意味で行李の語を用いたのであろう。だが,日本の行李にあたるものは中国では笥(し)という。行李が普及するのは江戸時代になってからであるが,同様のものはすでに正倉院にのこり,葛や柳製でやや小型だが,製法は今日の行李とまったく同じである。一方,室町時代になると葛籠(つづら)が生まれた。葛籠は本来はツヅラフジ製で四隅と縁をなめし革で補強してあるものだが,後には一閑張(いつかんばり)や,杉,竹の枠にむしろを張ったものも葛籠と呼ばれた。この葛籠をさらに簡便にしたものが行李で,葛籠も行李も江戸時代には商品生産化されている。近代に入っても衣類入れとして家庭の必需品であった。
執筆者:小泉 和子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
柳や竹、籐(とう)で編んだ物入れで葛籠(つづら)の一種。素材によって柳行李、竹行李、籐行李とよぶ。衣類入れのほか弁当行李、薬屋行李とよばれるものもある。正倉院に小型のものが残っているが、広く普及したのは江戸時代以後である。多くは長方形で深いかぶせ蓋(ぶた)になっており、旅行または日常に衣類その他手回りの品を入れた。近江(おうみ)水口・高宮・日向(ひゅうが)は籐行李、山城(やましろ)・越前(えちぜん)は竹の網代(あじろ)行李、但馬(たじま)・備中(びっちゅう)・備後(びんご)は柳行李の産地として知られる。なお、中国では官の使者のことを行李といい、仏教では行李と書いてアンリと読み、修行のこと。第二次世界大戦前の日本の軍隊では、弾薬や器材を積んだ輜重(しちょう)のことをいい、それを運ぶ部隊をも行李とよんだ。
[片岸博子]
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