日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルネイチュク」の意味・わかりやすい解説
コルネイチュク
こるねいちゅく
Александр Евдокимович Корнейчук/Aleksandr Evdokimovich Korneychuk
(1905―1971)
ソ連の劇作家。ウクライナ出身。1925年短編作家としてデビュー、のち劇作に転じ、反革命軍と英雄的に闘う民衆を題材とした『艦隊の滅亡』(1933)、民衆出の新しい知識人を扱った『プラトン・クレチェット』(1934)で広く世に認められた。おもな作品に史劇『ボグダン・フメリニツキー』(1939)、『戦線』(1942)、『マカール・ドゥブラーワ』(1948)があり、喜劇も書いたが、激動する現実を主題としたものが多く、方法的には社会主義リアリズムを基調にしている。とはいえ図式に陥ることなく、主題に即して多彩な手法がとられ、古典文学の伝統、ウクライナの豊かな地方色、民話の形象、民衆のユーモアが巧みに生かされている。
[柳 富子]