改訂新版 世界大百科事典 「ゴマサバ」の意味・わかりやすい解説
ゴマサバ
spotted mackerel
Scomber australasicus
スズキ目サバ科の海産魚。体型がまるいのでマルサバともいう。その名のとおり体側や腹方に小黒点が散在する。英名もこれによる。マサバ(ヒラサバ)とは小黒点があるほか,背びれを支えている骨の数が多いことで区別される。しかし,体型や斑点の分布状態などが両種の中間形を示す個体もあり,とくに小型のものでは区別がむずかしいことが多い。全長45cmに達する。東北地方以南の暖海に多く,マサバより沖合域に生息する。一般に季節回遊を行い,春から夏にかけて北上する。産卵期は11~6月にかけて行われるが,盛期は水温20℃前後の4月ころ。主産卵場は台湾の北部海域で,九州南方から四国沖にかけても産卵する。漁場は東シナ海が中心であるが,マサバと混獲される場合が多い。巻網,棒受網,定置網などで漁獲される。味はマサバより劣るが,あまり季節変化がない。
執筆者:谷内 透
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報