サイス朝(読み)サイスちょう(その他表記)Saite Dynasty

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイス朝」の意味・わかりやすい解説

サイス朝
サイスちょう
Saite Dynasty

古代エジプトの第 26王朝 (前 664頃~525) の別名。その名はこの王朝の首都サイスに由来し,エジプトの衰微期に新しい息吹きをもたらした。この王朝は7人の王が統治したが,特にプサムティク1世アッシリアアッシュールバニパルの支配下から脱して国の統一を実現したが,次王ネコ2世の治世中,パレスチナにおいて新バビロニアのネブカドネザル2世に敗れ,アッシリアの支配権を放棄した。アプリエス王のとき,軍の反乱にあい,アーモス2世はギリシア人の僭主との友好を深め,親ギリシア政策をとった。最後の王プサムティク3世は,アケメネス朝ペルシアカンビセス2世に敗れた。文芸復興の時代で,美術史上では擬古典主義が興った。

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世界大百科事典(旧版)内のサイス朝の言及

【プサンメティコス[1世]】より

…しかし,このためにギリシア人やカリア人の傭兵を多く用いたので,政局安定後も彼らは軍の枢要の位置を占め,またナウクラティスをギリシア人のための自由港とせざるをえなかった。サイス朝は古王国・中王国を理想とする復古主義をモットーとし,そこに新生の道を見いだそうとした。残された美術作品にもその精神が十分見とられるが,彫刻などにはギリシア文化の影響も感得される。…

※「サイス朝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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