サヤミドロ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サヤミドロ」の意味・わかりやすい解説

サヤミドロ(鞘水泥)
サヤミドロ
Oedogonium

緑藻類サヤミドロ目サヤミドロ科の淡水藻。池水,水田の水たまりなどに発生する糸状の藻類である。色は褐色がかった緑色円筒形細胞一端に近く細胞壁に鞘状の皺がみられるので,この名がある。この皺は細胞分裂時,細胞膜が切れその下に新しい細胞膜が伸び出るため,古い細胞膜が鞘状に残ってできたものである。サヤミドロの有性生殖にはいろいろの型があるが,卵と運動性の精子をもつ卵子接合である。種によって雄性細胞がいったん,矮精体という小さな器官を形成し,それからあらためて精子が出て卵子に到達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サヤミドロ」の意味・わかりやすい解説

サヤミドロ
さやみどろ
[学] Oedogonium

緑藻類の1属の総称で、約400種を含む大属。体は円筒形の細長い細胞が一列に並んだ糸状体よりなるが、細胞分裂の名残(なごり)である鞘(さや)を細胞どうしのつなぎ目近くにもつので、藻塊を手にとるとひっかかる感じがあり、ぬめりがないのでそれとわかる。和名は、このような鞘があることによってつけられた。藻塊は鮮緑よりは暗色または黄色みを帯びる場合が多い。至る所の止水中に出現する淡水藻である。

小林 弘]

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