17~18世紀にヨーロッパで流行した古典舞曲。起源について定説はないが,16世紀のラテン・アメリカやスペインで歌を伴う舞曲として存在し,17世紀前半にヨーロッパ各地の宮廷に普及した。性格も地域や時代によりさまざまであるが,主として緩やかな3/4拍子または3/2拍子の荘重な趣をもち,弱起を用いないのが通例で,第2拍に長い音符をおき,アクセントがつけられる。フローベルガーがバロック舞踊組曲に導入して以来,一般にクーラントとジーグの間におかれて組曲中の花形舞曲となった。18世紀後半に音楽の時代様式の交替とともに廃れたが,19世紀末から20世紀初頭にかけて器楽曲に復活し,ドビュッシーの組曲《ピアノのために》(1901)の第2曲,サティの《三つのサラバンド》(1887),A.ルーセルの《ヘ調の組曲》(1926)などが有名である。
→舞曲
執筆者:正木 光江
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
17、18世紀にヨーロッパで流行した荘重な3拍子の舞曲。本来はスペインのアンダルシア地方、もしくはラテンアメリカに由来する急速な踊りであった。16世紀のスペイン宮廷で流行したが、奔放で官能的すぎるという理由で禁止された。ところが17世紀初めにフランス宮廷に広まったころから、テンポがしだいに遅くなり、優雅な踊りへと変わっていく。17世紀後半と18世紀の舞踊組曲では、クーラントの後、ジーグの前に置かれるようになった。またこのころ鍵盤(けんばん)曲では、リュート様式を取り入れた旋律的な「軽いサラバンド」と、和音が中心となり2拍目にアクセントをもつ「荘重なサラバンド」の2種類が展開したが、18世紀中ごろには後者のほうが主流となっていく(ラモー、バッハ、ヘンデル)。サラバンドは19世紀に一度姿を消すが、20世紀初めに昔の優雅な雰囲気を漂わせた舞曲として復活する(ドビュッシー、サティ、ストラビンスキー)。
[関根敏子]
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…16~17世紀のスペイン舞踊の代表的なものとしてはアルタalta,バハ・ダンサbaja danza,カナリオcanario,チャコーナchacona,エスパニョレータespañoleta,フォリーアfolía,サラバンダzarabanda等が知られ,ほかにも舞踊の形式はきわめて多い。以上のうちチャコーナはシャコンヌ,サラバンダはサラバンドとしてヨーロッパ各地に広まり,やがて器楽曲の重要な形式として定着したものである。また,スペインの新大陸進出に伴って,新大陸にも伝えられた。…
※「サラバンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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