サワギク(読み)さわぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サワギク」の意味・わかりやすい解説

サワギク
さわぎく / 沢菊
[学] Nemosenecio nikoensis (Miq.) B.Nord.
Senecio nikoensis Miq.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ35~110センチメートルで、全体に柔らかい。根出葉は白毛を密生し、オトコエシの葉に似る。茎葉はごく薄く、両面に軟毛を散生する。6~8月、茎頂に散房状に多数の頭花をつける。頭花は舌状花と管状花からなり、黄色痩果(そうか)は長さ1.5ミリメートル、先端に雪白色の剛毛状冠毛を多数つける。花期後、この冠毛が毛玉のようになることから、ボロギクともよばれる。山地の沢沿いの林床に生え、北海道から九州に分布する。近似のノボロギクSenecio vulgaris L.も冠毛が同様に毛玉状となるが、これはヨーロッパ原産の帰化植物で、サワギクとは系統が異なる。

[小山博滋 2022年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サワギク」の意味・わかりやすい解説

サワギク(沢菊)
サワギク
Senecio nikoensis

キク科の多年草。北海道から九州にかけて各地の山地のやや湿った林内に生え,しばしば群生する。密に白毛のある根生葉があり,茎は直立して高さ 40~100cmとなる。茎葉は互生し深く羽状に裂ける。6~7月,茎頂に散房花序をなして径 1cmほどの黄色の頭状花をつける。筒形総包に包まれ,舌状花は 10個ほどで幅 1mmほどの線形である。

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