日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・モリッツ」の意味・わかりやすい解説
サン・モリッツ
さんもりっつ
Saint Moritz
スイス東部、グラウビュンデン州、上エンガディン地方にある町。標高1850メートルにある。人口5000(2001)の小さな町であるが、ウィンタースポーツを中心とする国際的な観光保養地として有名。現地名採用を原則とすればドイツ語のザンクト・モリッツSankt Moritzかレト・ロマン語のサン・ムレツァンSan Murezzanと表記するのが正しいが、日本では慣習的にフランス語名のサン・モリッツが多用されている。サン・モリッツ湖岸のレト・ロマン人集落にその起源があり、1139年に聖マウリティウス教会との関係で古文書にその名が現れ、19世紀なかば以降、都会的なホテルが並ぶ町となった。冬季オリンピックが1928年、48年の2回開催され、その名を世界に知られるようになった。ロープウェー、リフトが四周の高山に通じて雄大なスキーや山行が楽しめるが、とくに金持ちや有名人が集まる物価の高い観光地である。
[前島郁雄]