日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・レモ」の意味・わかりやすい解説
サン・レモ
さんれも
San Remo
イタリア北西部、リグリア州インペリア県の都市。人口5万0524(2001国勢調査速報値)。12~18世紀には商業港として栄えたが、19世紀後半以降の国際級大ホテルの建設や、公設カジノ(1905)などの開設を契機として、リビエラ海岸屈指の観光、保養、避寒地に発展した。12月~2月の平均気温は10℃である。第一次世界大戦後の1920年4月には、戦勝国の会議(サン・レモ会議)が開かれた。また1951年からは、毎年冬にカンツォーネのコンクール(サン・レモ音楽祭)が開催されている。みるべき工業はないが、花の栽培と販売では有名である。丘陵上の「ピーニャ」とよばれる旧市街には、サン・シロ大聖堂(13世紀)をはじめ中世の建築が多数残っている。
[堺 憲一]