翻訳|Riviera
イタリア北部,リグリア海に面する全長約300kmの海岸地方。普通名詞のrivieraは〈海岸〉の意。1年を通じて気候は温暖で,風光明美な避寒・避暑地として知られている。ジェノバを中心に,東・西リビエラに区分され,ラ・スペチアからジェノバまでの東リビエラRiviera di Levanteには,海に突出する断崖と小さな入江が交互に続いている。ラ・スペチアからレバントに広がるチンクエ・テレは人を容易に寄せつけないきびしい崖と荒々しい岩礁の多い地域である。セストリ・レバンテ,ラパロ,ポルトフィーノは避寒・保養地として世界的に有名である。ジェノバからフランスのニースに至る海岸は西リビエラRiviera di Ponenteと呼ばれ,曲折する断崖と入江が続く。入江の背後の丘には,シュロ,オリーブ,松が茂り,オレンジ,レモンなどのかんきつ類も豊富な地域である。アラシオ,アルビゾーラ・マリーナ,サン・レモ,ボルディゲーラ,ベンティミリアは砂浜に恵まれ,夏は海水浴客でにぎわう。アラシオからフランス国境のベンティミリアまでは,とくに〈花のリビエラ〉と呼ばれ,段々畑に色とりどりの花が栽培されている。
執筆者:町田 亘
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イタリア北西部、リグリア海に臨む海岸地帯。ラ・スペツィアから北西のフランスとの国境に至るまでの海岸をいい、フランス領の海岸地帯コート・ダジュールに連なる。マリッティメ・アルプス(海岸アルプス)山脈とリグリア・アペニン山脈が背後に迫り、温和な気候と海岸線の美しさで知られる。港湾・工業都市として名高いジェノバを境にして、東側をリビエラ・ディ・レバンテRiviera di Levante(東リビエラ)、西側をリビエラ・ディ・ポネンテRiviera di Ponente(西リビエラ)とよぶ。世界的に有名な保養・観光地帯で、ラパッロRapallo、サンタ・マルゲリータ・リグレSanta Margherita Ligure、アラッシオAlassio、インペリア、サン・レモ、ベンティミーリアVentimigliaなどの町がある。なお、リビエラという名称をより広く、ニースやカンヌを有するフランスのコート・ダジュールを含めて用いることもある。
[堺 憲一]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかし山脈のつくる壁が北の風をさえぎるうえ,海洋の影響で冬は暖かく,夏も快適な気候で,地中海性の植物に富んでいる。絶好の風土条件と変化に富む美しい風景によって,ジェノバを中心に東西にのびるリビエラ海岸は,フランスのコート・ダジュールとならぶ世界的なリゾート,観光地となっている。 平地に乏しいため,しばしば山の斜面に階段状の畑がつくられているが,一般に農業はふるわない。…
※「リビエラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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