ザウアークラウト(読み)ざうあーくらうと(その他表記)Sauerkraut ドイツ語

デジタル大辞泉 「ザウアークラウト」の意味・読み・例文・類語

ザウアークラウト(〈ドイツ〉Sauerkraut)

千切りにしたキャベツ塩漬けにして発酵させた、酸味のあるドイツ漬物

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精選版 日本国語大辞典 「ザウアークラウト」の意味・読み・例文・類語

ザウアークラウト

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Sauerkraut ) キャベツを塩漬けにし、酸味が出るまで発酵させたもの。ドイツの代表的な家庭料理材料。
    1. [初出の実例]「三ノ宮バーまで食ひに行く。サワクラウトがうまい」(出典:古川ロッパ日記‐昭和一二年(1937)六月二七日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザウアークラウト」の意味・わかりやすい解説

ザウアークラウト
ざうあーくらうと
Sauerkraut ドイツ語

サワークラウトともいう。キャベツの薄塩漬け。ドイツをはじめ南フランス、ハンガリー、北スイス、旧ソ連地域に至るまで、ザウアークラウトが食べられているが、とくにドイツ人はこれをよく食べる。ソーセージや豚肉料理の付け合せとして、またザウアークラウトと豚肉の塩漬け、薫製肉などを煮込み、ジャガイモを添えた料理をよくつくる。日本では普通、酢漬けキャベツとよんでいるが、実際には薄塩漬けであり、発酵してあの酸味が出るのである。

[エリーゼ・ケテル]

つくり方

キャベツを縦四つ切りにして水洗いし、芯(しん)を除いてせん切りにする。樽(たる)か大きなずんどうにこれを入れて、キャベツの重さの10%の塩でよくもみ、ふきんをかけて重石(おもし)を置き、2~3日置くと水が出てくる。このまま2~3週間置き、上水(うわみず)に発酵によって白いカビがわいてきたら、毎日一度ていねいにこのカビを取り除く。4週間ぐらいで発酵が止まり、ザウアークラウトができあがる。地方によって、漬け込むときにリンゴ薄切りやキャラウェーシードを入れ、ブドウの葉を上にかぶせるところもある。できあがったザウアークラウトは、密封して冷暗所に保存しておく。

[エリーゼ・ケテル]

ザウアークラウトの料理

使う分量だけ取り出し、水気をよく絞る。このとき酸味が強すぎる場合は、さっと一度水洗いする。鍋(なべ)にラードを熱した中にみじん切りのベーコンタマネギを入れて炒(いた)めてから、よく絞ったザウアークラウトを加えてゆっくりと炒める。または炒めたザウアークラウトにブイヨンを加えて20~30分煮込んでもよい。

[エリーゼ・ケテル]

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改訂新版 世界大百科事典 「ザウアークラウト」の意味・わかりやすい解説

ザウアークラウト
Sauerkraut

キャベツを薄塩で漬け乳酸発酵させた保存食品。伝統的なドイツの庶民の味に数えられ,詩人ウーラントは,〈ドイツ人の作り出したドイツの料理〉とたたえたが,乳酸発酵させる製法は歴史的には中世に中央アジアから伝わった,とするのが現代の定説である。ともあれ冬場のビタミンC補給源として貴重なものであったことにかわりなく,19世紀に版を重ねた主婦用手引書《家庭の幸福》などにも,ブドウ酒の古樽の利用,秋にキャベツを千切り風に切り塩をまぶしふたをして重しをのせる段取り,西洋ネズの実やコショウの実などで風味を加えるくふうなどが書かれている。漬物として食べるよりいったん火を通すのがふつうで,家庭では,湯がいてから冷やし,サラダにしたり,バターやラードを加えて煮,エンドウなどととりあわせて肉料理に添える。このほか白ブドウ酒で煮たエルザス(アルザス)料理のシュークルート,バイエルン国王の食膳に供された高級料理など,調理法はさまざまである。なお隠語に太い足をキャベツ踏みというのは,昔は漬ける際に足で踏んでキャベツの汁をしみ出させたからであるらしい。この汁を捨てて水を加えると味ががた落ちする,と記している書もある。
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百科事典マイペディア 「ザウアークラウト」の意味・わかりやすい解説

ザウアークラウト

サワークラウトとも。ドイツの伝統的な漬物。せん切りキャベツに2%ぐらいの食塩を加えて重しをして自然発酵させ,すっぱくしたもの。ドイツ料理には欠かせぬもので,ハム料理などの付合せ,ソーセージや豚肉との煮込み,サンドイッチなどに使用する。
→関連項目アイスバイン

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ザウアークラウト」の解説

ザウアークラウト【Sauerkraut(ドイツ)】

ドイツ料理の一つ。キャベツをせん切りにして塩漬けにし、乳酸発酵させて酸味をもたせたもの。そのまま肉料理のつけ合わせにしたり、サンドイッチやホットドッグの具材に用いたりするほか、炒め物・煮物などに用いる。◇「ザウアー」は「すっぱい」、「クラウト」は「キャベツ」の意。「ザワークラウト」「サワークラウト」「シュークルート」ともいう。「サワークラウト」は英語、「シュークルート」はフランス語。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「ザウアークラウト」の解説

ザウアークラウト

 キャベツを発酵させた酸味のある漬け物で,ドイツ料理で作られる.

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世界大百科事典(旧版)内のザウアークラウトの言及

【キャベツ】より

…味をととのえたひき肉を包んでトマトピュレなどで煮込むロールキャベツのほか,シチュー,いため物,漬物に用いることも多い。有名なドイツの漬物ザウアークラウトは,細切りのキャベツを5%以下の塩で漬け込んだもので,サラダ,スープ,肉料理のつけ合せその他さまざまな料理に用いられる。【菅原 竜幸】
[民俗,伝説]
 イギリスではキャベツ畑に赤ん坊がいるとされ,子宝はキャベツから授かると長らく信じられてきた。…

【ソーセージ】より

…【森田 重広】
[料理]
 スモークドソーセージが最も一般的なもので,ビールのつまみ,オードブル,サラダ,ホットドッグなどに使う。ザウアークラウトやベーコンとともに煮込んでもよく,薄切りにしてオムレツにするのもよい。フレッシュソーセージもほぼ同じ使い方をするが,必ず火を通して食べる。…

【漬物】より

…保存漬は貯蔵を目的とする漬物本来のもので,とくに長く貯蔵されたものは古漬,ひね漬とも呼ぶ。外国の漬物では朝鮮のキムチ,中国のザーサイ,インドのチャツネ,欧米のピクルスザウアークラウトなどが知られている。
【日本の漬物】
 記録上は天平年間(729‐749)の木簡に見えるウリ,アオナなどの塩漬が古く,以後平安期まで塩漬のほかに醬(ひしお)漬,未醬漬,糟(かす)漬,酢漬,酢糟漬,甘漬,葅(にらぎ),須須保利(すずほり),荏裹(えづつみ)などの種類が見られる。…

※「ザウアークラウト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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