ザンドラルト(その他表記)Joachim von Sandrart

改訂新版 世界大百科事典 「ザンドラルト」の意味・わかりやすい解説

ザンドラルト
Joachim von Sandrart
生没年:1606-88

ドイツの画家,銅版画家,著述家フランクフルトアムマイン生れ。中部ヨーロッパ各地で修業の後,1623年にユトレヒトでカラバッジョ派のホントホルストG.van Honthorstに入門,27年には師とともにイギリス宮廷を訪れ,その後35年までイタリアに滞在しローマをはじめ各地で古代や盛期ルネサンスの美術を学びつつ,芸術家や芸術愛好家多数と親交をもつ。38年からアムステルダムで活動,43年ころ再びドイツに戻って最終的にはニュルンベルクに落ち着いた。彼は当時ドイツ最大の画家と称され,ドイツ皇帝や諸侯の注文を受けているが,後世にその名が残ったのは,むしろドイツ語による最初の包括的美術理論書・美術家列伝《ドイツのアカデミー》(1675初版)を通じてである。同書はルーベンスレンブラントプッサン,クロード・ロランら,同時代の大家たちについての情報に富む,美術史の貴重な原典資料である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザンドラルト」の意味・わかりやすい解説

ザンドラルト
Sandrart, Joachim von

[生]1606.5.12. フランクフルトアムマイン
[没]1688.10.14. ニュルンベルク
ドイツ・バロック期の画家。古典的,宗教的主題静物肖像など多くのジャンルにわたる作品があるが,ドイツ美術史の原典資料ともいうべき著作『ドイツ建築彫刻絵画芸術アカデミー』Teutsche Academie der Edlen Bau-Bild-und Mahlerey-Künste(1675~80)によって有名。これは第1部が建築,彫刻,絵画論,第2部が各地で知り合った芸術家たちの伝記で,第3部にはいくつかの美術収集の紹介と研究,絵画の主題の原典として重要な詩人オウィディウス翻訳などが収められている。

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