日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバヤギ」の意味・わかりやすい解説
シバヤギ
しばやぎ / 柴山羊
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ヤギの日本在来品種で、長崎県西彼杵(にしそのぎ)半島の西海岸および五島(ごとう)列島で肉用として古くから飼育されている。ザーネン種が導入されて以来雑種化が進み、現在のものは純粋の在来種とはいえない。体格は小形で体重20~25キログラム、体高約50センチメートル。被毛は白で、まれに褐色のもの、あるいは黒の差し毛の入ったものがある。雄雌とも有角で、肉垂れ(肉ひげ)はなく、体質は強健で粗食に耐え、寄生虫に対する抵抗性も強い。周年繁殖で多産し、1回に平均1~3頭の子を産む。早熟で、生後7か月で繁殖に供用でき、妊娠期間は約5か月である。小形で性質は温順、管理繁殖が容易なことから、実験動物として有望視されている。
[西田恂子]