シャプラン(その他表記)Chapelain, Jean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャプラン」の意味・わかりやすい解説

シャプラン
Chapelain, Jean

[生]1595.12.4. パリ
[没]1674.2.22. パリ
フランスの詩人批評家アカデミー・フランセーズの設立メンバーの一人で,『ル・シッド論争に際して『ル・シッドに関するアカデミーの意見書』 Les Sentiments de l'Académie sur "Le Cid" (1638) を起草した。ランブイエ侯爵夫人やスキュデリー嬢のサロンで博識をもてはやされ,古典主義理論家として文壇に君臨したが,詩才には乏しく,叙事詩聖処女』 La Pucelle (56) は完全な失敗に終った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャプラン」の意味・わかりやすい解説

シャプラン
しゃぷらん
Jean Chapelain
(1595―1674)

フランスの詩人、評論家。パリ生まれ。フランス古典主義理論の確立に主要な役割を演じた。アカデミー・フランセーズ創始時の会員で、コルネイユの「ル・シッド論争」の際、アカデミーの意見公刊の主著者となった。長年にわたり文壇に君臨したが、その理論を応用した叙事詩『聖処女』Pucelle(1656)の刊行は、識者、ことに若い世代、ボアローらの攻撃によって嘲笑(ちょうしょう)の的となり、あわせてその勢威が急速に衰えた。

福井芳男

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