日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ショウリョウバッタモドキ
しょうりょうばったもどき / 擬精霊蝗
[学] Gonista bicolor
昆虫綱直翅(ちょくし)目バッタ科に属する昆虫。小形から中形で、草の茎のように細い体つきのバッタ。明らかに草の茎に擬態した体形をしている。体長は雄25ミリメートル内外、雌45ミリメートル内外。緑色で、背面部は淡紫紅色となる。体は軟らかく、頭部は円錐(えんすい)状、触角は剣状となる。後脚は相対的に短い。夏秋の候に草間にみられ、人が近づくと巧みに茎の反対側に体を移動して人目を避ける。本州以南、東南アジアに広く分布する。旧名キチキチバッタは、鳴くことがなく不適当なので用いないようにし、かわりに表記の和名が提案され、現在に至っている。
[山崎柄根]