ケンタッキー(読み)けんたっきー(英語表記)Kentucky

翻訳|Kentucky

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケンタッキー」の意味・わかりやすい解説

ケンタッキー
けんたっきー
Kentucky

アメリカ合衆国、中央東部の州。面積10万4623平方キロメートル。人口404万1769(2000)。北はオハイオ川が境となりオハイオ、インディアナ、イリノイ州、西はミシシッピ川が境となりミズーリ州、南はテネシー州、東はバージニア州とウェスト・バージニア州にそれぞれ接する内陸州である。州都フランクフォート。気候は湿潤温暖で大陸性、ルイビルの年降水量は1090ミリメートル、1月の平均気温は1℃、7月の平均気温は25℃である。

 東部はアパラチア山脈西縁のカンバーランド台地で、中央北部は西洋シバの一種であるブルーグラスの肥沃(ひよく)な草原地域、中央南部は丘陵性のペニーロイヤル地域といわれる石灰岩地帯である。この地域にはカルスト地形がみられ、その代表が全長約580キロメートルの鍾乳洞(しょうにゅうどう)マンモス・ケーブである。北西部は石炭が埋蔵されている丘陵地帯で、ウェスタン・コールフィールド(西部炭田)とよばれる。テネシー、オハイオ、ミシシッピの3河川に囲まれた最西端の部分はパーチェス地域(チカソー・インディアンから購入した土地)であり、東側の台地と西側の氾濫原(はんらんげん)からなる。

 1970年代前半までは農業所得が工業所得を上回っていたが、70年代後半には逆転して工業が第一の産業となった。主要工業は機械、電気器具、化学製品、食品加工、農業用機械、たばこなどであり、これらの活動はオハイオ川沿岸の都市に集中している。東部のアパラチアでは石炭の採掘が行われ、合衆国第1位の生産量をあげている。ブルーグラス地域は牧草がよく生育し、石灰岩地域を流れてくる水が家畜の骨格をじょうぶにするという理由でサラブレッドの飼育が盛んである。またタバコの生産も多く、その他の作物としてはトウモロコシ飼料用干し草、大豆、小麦があり、トウモロコシは飼料としてだけではなくバーボン・ウイスキーの原料となる。

 ケンタッキーはアパラチア山脈の西側では最初にアメリカ人による開拓が行われた所である。最初の定住地は1774年に建設されたハロッズバーグであった。1775年ダニエル・ブーンがテネシーからカンバーランド峠を越えるウィルダーネス・ロードを開いてから開拓者が流入し、76年の独立当時にはバージニア州の一つの郡であったが、1792年合衆国15番目の州となった。マンモス・ケーブ国立公園のほか、歴史的な名所も多く、リンカーン公園や南部連邦の大統領J・デービスの生誕地などが有名である。またルイビルでは、毎年ケンタッキー・ダービーが催される。州歌はフォスターの『マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム』。

[菅野峰明]


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