翻訳|seeing
望遠鏡で星などの天体の像を見たときに,地球大気の乱れや,望遠鏡内部の空気の乱れによって,その像がぼやけたり不規則に変動することをいう。シーイングがよいとは,星の場合については像の大きさが小さく,また像のゆれ動きが少ない状態を指す。明るさの変動や,位置の変動をシンチレーションと呼んで区別する場合もある。天体の1点から発した光はほとんど平面波となって地上に達するが,空気の屈折率が時間的にも空間的にも一定でないと,空気が変動するレンズの役割を果たすために光の波面が複雑な曲面になって像の乱れが起こるのである。口径10cm程度の小望遠鏡では星の像は小さく見えるが位置と明るさの変動が激しく,大きな望遠鏡では変動は重ね合わされるために小さくなるものの星像の直径は大きくなる。上空の大気の乱れは季節(日本では夏がよい)や空気の透明度と関係し,また望遠鏡近くの乱れはドーム,建物や地上からの高さ(15m以上高いことが望ましい)に関係している。
執筆者:平山 淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…惑星がまたたかないのは,地上から見たときに惑星の面の中にいくつもの大気の粗密の要素が重なって入っているために,ならされてしまうからである。シーイングseeingともいうが,シンチレーションは明るさの変動を意味することが多い。電波天文学では,電離層や惑星間空間での電子密度の粗密による回折のため起こる電波星の〈またたき〉をシンチレーションという。…
…惑星がまたたかないのは,地上から見たときに惑星の面の中にいくつもの大気の粗密の要素が重なって入っているために,ならされてしまうからである。シーイングseeingともいうが,シンチレーションは明るさの変動を意味することが多い。電波天文学では,電離層や惑星間空間での電子密度の粗密による回折のため起こる電波星の〈またたき〉をシンチレーションという。…
※「シーイング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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