ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャマール=ザーデ」の意味・わかりやすい解説
ジャマール=ザーデ
Jamāl-Zāde, Sayyid Muḥammad `Alī
[没]1997.11.8. スイス,ジュネーブ
イランの小説家。イスラム教の聖職者で立憲革命時代の著名な運動家の子として生まれた。レバノンのベイルートで初等,中等教育を受け,ローザンヌ大学を経てディジョン大学で法律の学位を得た。 1915年イランに戻り,その後ドイツに移った。ドイツでイランの反政府運動に参加,一方で『カーベ』誌に作品を発表。短編集『むかしむかし』 Yekībūd yekīna-būd (1921/1922) は文体と内容の両面から現代ペルシア散文学に多大な影響を与えたが,風刺的で辛らつな体制批判の内容が保守層の反感を買いその後 20年間沈黙を余儀なくされた。 1931~56年ジュネーブの国際労働機関 ILOに勤めた。ほかに長編小説『精神病院』 Dār al-majānīn (1942) ,『水道物語』 Rāhe-āb nāme (1948) ,短編集『古さと新しさ』 Kohne o nou (1959) など俗語を駆使した社会批判の作品が多数ある。
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