マナス(読み)まなす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マナス」の意味・わかりやすい解説

マナス
まなす / 瑪納斯

中国、新疆(しんきょう)ウイグル自治区北部、ジュンガル盆地の南縁にある県。昌吉(しょうきつ)回族自治州に属する。常住人口23万7558(2010)。天山(てんざん)山脈北麓のオアシス地帯でマナス河が県内を北流する。牧畜をはじめ小麦やワタ栽培が盛んで、北西内陸綿作地帯の主産地をなす。1950年代、中国人民解放軍などにより砂地開墾が進み、灌漑(かんがい)網が発達した。紡績石炭化学などの工場や火力発電所が立地する。県内を蘭新(らんしん)線が通る。

[駒井正一・編集部 2018年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マナス」の意味・わかりやすい解説

マナス
Manas

キルギスの基幹住民,キルギス人の代表的英雄叙事詩民族の英雄マナスとその息子セメティ,マナスの孫セイテカの生涯戦功の物語。 12世紀のカラ・キタイ (→西遼 ) ,15~18世紀のオイラート (瓦剌)侵入と戦いを表しているといわれる。 19世紀後半,ドイツに生まれ,ロシアで活躍したチュルク学者 V.ラドロフによって採録され,その記録"Proben der Volksliteratur der nördlichen türkischen Stämme" (1885) が刊行された。

マナス
manas

サンスクリット語で心のこと。漢訳仏典では意と訳される。『リグ・ベーダ』では不滅の霊魂を言い表わす語であった。バイシェーシカ哲学ではマナスは原子大で身体一つだけ存し,きわめて速く活動し,アートマンと感官との媒介をなすものとみられる。『アディヤートマ・ラーマーヤナ』や『マーンドゥーキヤ・カーリカー』では世界の動力因とも考えられている。

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