日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョブ制御言語」の意味・わかりやすい解説
ジョブ制御言語
じょぶせいぎょげんご
job control language
ジョブ(コンピュータで行うひとまとまりの仕事)を構成するために用いる、オペレーティングシステムに対する指令を記述するための言語。略してJCLともいう。会話型のジョブを扱うタイムシェアリングシステムやパーソナルコンピュータでは、普通、コマンド言語command languageという。バッチジョブ、会話型ジョブにかかわらず、ジョブは、ユーザー(使用者)名、ジョブ名、ユーザーおよびジョブを識別しシステムに登録するためのジョブ制御文(ユーザー名、ジョブ名、課金番号、打切り時間、打切り印字行数、ユーザーを確認するパスワードなどを含む)で始まり、ジョブの終わりを示すジョブ制御文で終わる。ただし、次のジョブの始まりを示すジョブ制御文がきたり、エラーがおこってシステムがそのジョブを打ち切ったり、端末で回線を切ったり電源を落としたりしたときにも、そのときのジョブは終了する。
プログラムを取り扱うためのジョブ制御文としてユーザープログラム、PASCAL(パスカル)やFORTRAN(フォートラン)の翻訳プログラム、BASIC(ベーシック)の解釈プログラムなどを主記憶にロードし実行するためのもの、いくつかのプログラムを一つのプログラムとして連結するためのものなどがある。
実行時に使用する入出力装置およびその量、使用するファイルの名前、属性および保護のための鍵(かぎ)などは、データを取り扱うためのジョブ制御文を用いて指定する。ジョブ制御文の集まりに名前をつけて登録しておけば、その名前を用いて、その制御文の集まりを呼び出し、実行させることができるようなシステムもある。また、会話型の環境に特有なものとして、プログラムの実行を中断して、調べたり、変更したり、実行を再開したりするためのものがある。
[土居範久]