BASIC(読み)べーしっく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「BASIC」の意味・わかりやすい解説

BASIC(地球温暖化対策)
べーしっく

温室効果ガスの削減目標設定に反対するブラジルBrazil、南アフリカ共和国South Africa、インドIndia、中国Chinaの新興4か国のグループを示す、それぞれの頭文字を合わせて並べ替えた造語。2009年12月にコペンハーゲンで開かれた気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で結成された。地球温暖化対策の国際的枠組みでは、京都議定書で先進国に対する削減目標が定められたが、新興国開発途上国に対する目標は設定されておらず、温暖化で水没の危機にある島嶼(とうしょ)国や先進国は、新興国と開発途上国にも一定の削減目標を設けるべきと主張している。とくに経済成長の著しいBASIC4か国は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が急増しており、4か国を含む新興国に削減目標を設定すべきとの機運が高まっている。これに対し4か国は、削減目標の設定は、新興国と開発途上国の経済成長の足を引っ張りかねないと反対している。BASICの結成は、締約国会議の議論が先進国主導で進むことを牽制(けんせい)し、新興国と開発途上国にとって有利な合意に導く目的があるものとみられている。しかし2011年に南アフリカ共和国のダーバンで開かれた第17回締約国会議(COP17)では、ブラジルと南アフリカ共和国が法的拘束力のある枠組みへの参加を表明するなど、4か国の足並みはかならずしもそろっているわけではない。

 なお、地球温暖化をめぐる関係国・地域の国際グループには、BASICのほか、小規模な島や、沿岸部が低地である国・地域で構成する小島嶼国連合AOSIS)がある。AOSISは新興国と開発途上国を含むすべての国・地域への削減義務化を求めている。

[編集部]


BASIC(コンピュータ)
べーしっく

プログラム言語

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「BASIC」の意味・わかりやすい解説

BASIC
ベーシック

1965年頃アメリカ合衆国のダートマス・カレッジのジョン・G.ケメニーとトマス・E.カーツによって開発された対話型処理向きのプログラム言語。Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Codeの頭文字をとった略称コンピュータの専門家でない人々がコンピュータと対話できる環境で簡単に利用できることを目標に設計されたため,初心者用あるいは教育用として多く使用されている。手軽に使える高級言語として,1975年前後に利用され始めたマイクロコンピュータ用の言語として広く普及した。1984年に国際規格が制定され,日本工業規格 JISも定められている。

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