ジョーンズ法(読み)じょーんずほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョーンズ法」の意味・わかりやすい解説

ジョーンズ法
じょーんずほう

アメリカ・スペイン戦争で獲得した植民地の地位に関する法律。アメリカ合衆国大統領ウィルソンの下で制定されたもので、二つある。一つは1916年の法であり、前文で「フィリピン群島で安定した政府が樹立されしだい、同群島に対する主権を撤回し、その独立を承認することは、合衆国国民の目的である」と述べ、本文で市民権の賦与選挙権の拡充議会の開設などを規定し、将来の独立に向かって一歩を進めた。他の一つは17年の法で、プエルト・リコ基本法であり、同島市民に合衆国市民権を与え、権利章典、労働者保護、選挙による議会などを規定したが、総督検事総長、教育委員などの要職は合衆国大統領が任命するとあり、旧準州に近い地位であった。

[高橋 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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