食の医学館 「じんま疹・水ぼうそう」の解説
じんましんみずぼうそうすいとう【じんま疹・水ぼうそう(水痘)】
《どんな病気か?》
〈水ぼうそうにかかったあとの帯状疱疹にも注意〉
じんま疹(しん)は、かゆみとともに皮膚に小さなふくらみができ、それがいろいろな形、大きさに広がっていく病気です。症状はふつうは数時間以内におさまりますが、出没をくり返すのが特徴です。
じんま疹が起こるしくみは、アレルギー性のものと、そうでないものに大きくわかれます。
原因はさまざまで、かいたり、なにかの物質にふれるなどの物理的な刺激によって起こることもあれば、ウイルス感染やストレスによっても起こります。
一方、水(みず)ぼうそうは幼児期にかかりやすく、水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスの感染によって全身にアズキ大の水ぶくれ(水疱(すいほう))ができる病気です。一度感染すると免疫ができて二度とかかることはありませんが、心配なのは帯状疱疹(たいじょうほうしん)という病気です。
最初の感染で、ウイルスは知覚神経節に潜伏し、疲労や免疫力が低下した状態になると、再び活発に活動をはじめます。その結果、皮膚に疼痛(とうつう)をともなう帯状の発疹ができ、やがて水疱になります。
これが帯状疱疹で、水痘ワクチンを接種した人にも発症するおそれがあります。
《関連する食品》
〈ミカンの皮に近い白い部分はビタミンPが豊富〉
○栄養成分としての働きから
じんま疹でアレルギーが関係している場合は、ビタミンB6をはじめ、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)、乳酸菌など、アレルギー体質を改善してくれる栄養素・成分を積極的にとりましょう(「アトピー性皮膚炎」参照)。
細菌やウイルス感染が原因の場合には、免疫力を高める栄養成分が有効です。
レバーやウナギ、コマツナ、ニンジンなどに含まれるビタミンA(カロテン)は、皮膚や粘膜(ねんまく)を健康に保ち、細菌の侵入からまもってくれます。
また、ミカンやネーブルオレンジなどの柑橘類(かんきつるい)に多く含まれているビタミンCにも抗ウイルス作用があり、皮に近い白い部分に含まれているフラボノイド(ビタミンP)には、ビタミンCの利用を高める働きがあります。
帯状疱疹に対しては、ビタミンCは水疱を乾かし、治りを早める効果が報告されています。
水痘帯状疱疹ウイルスは神経節に潜伏するため、あとで神経痛を起こしやすくなりますが、ビタミンB12やビタミンEには神経痛を緩和する働きがあります。
ビタミンB12はアサリ、カキ、レバーに、ビタミンEはアーモンドやピーナッツ、たらこ、カボチャに多く含まれています。