スフリエール火山(読み)スフリエールかざん

最新 地学事典 「スフリエール火山」の解説

スフリエールかざん
スフリエール火山

Soufriere volcano

(1)カリブ海小アンティル諸島南部のSt.Vin-cent島の北端にある活火山。主に玄武岩質安山岩の成層火山。海抜1,220m,海底からの比高約1,400m,陸上部分の底径約13km。西向きの馬蹄形カルデラ形成で山頂を失った成層火山体の上に,カルデラ南縁に中心をずらして成長した新成層火山体が重なる。山頂には南に開いた径約2.2kmの大型火口(~小型カルデラ)があり,その北壁が最高点。山頂火口内から南へ2個の火口が連なり,南西側の火口底は水をたたえていたが,1902年5月噴火。多量の火山灰や岩塊を放出(1.4km3),その大部分火砕流となって山腹を四周に流下し,町を破壊し1,500人以上の死者を出した。この火砕流は多くの点で同時に噴火したPelée火山のそれと類似している。のち,火口は再び水をたたえていたが,71~72年に湖底溶岩噴出,79年再噴火時に湖水消失,火口を埋める溶岩ドーム(4×107m3,高さ110m,SiO255%)を生成した。この噴火時,山麓の住民20,000人が避難,犠牲者なし。2020年12月27日に山頂カルデラ内で噴火が始まり2021年3月まで溶岩ドームが成長(1.3×107m3, 高さ105m)。4月9〜11日に断続的な爆発により大量の火山灰が噴出し,西側斜面に向けて火砕流が発生。山頂に直径約800m,深さ100mの火口が形成され,新旧の溶岩ドームの大部分は消滅した。4月22日に活動終了。この噴火により23,400人が避難,犠牲者はなし。
[荒牧 重雄・大島 治・前野 深]
(2)カリブ海小アンティル諸島Guadeloupe島の南西部にある活火山。基底径20km×15kmの主に玄武岩質安山岩および安山岩の成層火山で,海抜1,467m,海底からの比高約2,500m。約20万年前から成長を始め,約42,000年前,プリニアン噴火・火砕流噴火により頂部にカルデラを生じたのち,その大部分を覆う成層火山を再形成。カルデラ内では溶岩ドーム形成・中規模火砕流噴火・水蒸気爆発を繰り返し,山体崩壊も複数回起きた。このうち11,500年前と3,100年前には山頂部の大規模な山体崩壊によりそれぞれ西と南西に開いた馬蹄形カルデラを生じ,岩屑なだれ堆積物を西側斜面一帯に展開。1010年にはVEI4のプリニー式噴火が発生。1530年の噴火では山体崩壊に始まり,準プリニアン噴火を経て新溶岩円頂丘(基底径700m×900m,比高約300m,0.05km3,SiO255〜62wt%)を生成,現最高峰となった。1690年以降少なくとも6回の水蒸気爆発を繰り返し,ときに泥流発生を伴っている。最新噴火は1976年,住民7万人余りに避難命令が出る騒ぎが起きたが大事に至らなかった。

執筆者:

参照項目:山体崩壊
参照項目:プリニアン噴火
参照項目:溶岩円頂丘

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

関連語 最高峰

《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい冬のこと。「冬将軍の訪れ」《季 冬》...

冬将軍の用語解説を読む