日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポーツ基本計画」の意味・わかりやすい解説
スポーツ基本計画
すぽーつきほんけいかく
スポーツに関する国の目標とその実現のための政策をまとめた計画。スポーツ基本法(平成23年法律78号)に基づき、スポーツ審議会(スポーツ庁長官の諮問機関)や中央教育審議会(文部科学大臣の諮問機関)の審議を踏まえ、文部科学大臣が定める。2012年(平成24)に第1期計画(2012~2016年度)が初めて策定され、第2期計画(2017~2021年度)、第3期計画(2022~2026年度の予定)と、5年ごとに改定されている。競技施設などのハード整備に重点を置いたスポーツ振興基本計画(2001~2011年度)を継承・発展させ、ソフト・ハード両面からスポーツ立国を実現する政策を国、地方自治体、スポーツ団体が一体となって総合的、計画的に進めることを目的としている。
第1期計画には、(1)オリンピック大会での金メダルの国別獲得順位で夏季大会は5位以内、冬季で10位以内に入る、(2)10年以内に子供の体力を、水準の高かった1985年(昭和60)ころの水準に戻す、(3)成人の3人に2人が週1回以上スポーツを実施する環境を整える、(4)各市区町村に総合型地域スポーツクラブを設置する、(5)オリンピックなどの国際大会を招致するなど、七つの目標を明記。競技団体への専門スタッフの配置、スポーツ振興くじ(サッカーくじ)収益の活用、拠点クラブから周辺クラブへの優れた指導者の派遣などの具体策を盛り込んだ。第2期計画ではオリンピック・パラリンピック大会で過去最多の金メダル獲得を目標としたほか、障害者(成人)のスポーツ実施率40%、スポーツ目的で来日する外国人旅行者数年間250万人、2025年までにスポーツ市場の15兆円への拡大などを加え、目標を19に増やした。第3期計画では、多様な主体のスポーツ参加やデジタル技術の活用などが盛り込まれる見通しである。
[編集部 2021年12月14日]