slow earthquake
断層運動が通常の地震に比べゆっくりした現象をいう。そのゆっくりの程度には幅があり,複数の現象の総称として用いられる。ゆっくり地震とも。
低周波微動:スロー地震の中では最も卓越周波数の高い現象。同規模の通常の地震に比べると低周波で,数Hzに卓越する非常に微小な振動が時には数日におよぶほどの長い継続時間を有する。低周波微動の素過程は低周波地震であり,それが連続的・群発的に発生することで微動を形成されると考えられる。西南日本に沈み込むフィリピン海プレートと陸のプレートとの境界に沿った地下約30~40㎞の深さを震源として発生する低周波微動を深部低周波微動と呼ぶ。最近は,海底地震計によってプレート境界浅部で発生する浅部低周波微動が検出。低周波微動は,超低周波地震や短期的スロースリップイベントと時空間的に同期して発生することがある。
低周波地震:同規模の通常の地震の波形に比べて卓越周波数の低い波形を有する地震。数Hzに卓越する場合が多い。日本列島の内陸では,火山直下の深さ30㎞前後に発生する深部低周波地震が良く観測される。また,浅部・深部低周波微動の素過程に注目し位相検出に基づいて震源決定した場合,それらを浅部・深部低周波地震とも呼ぶ。
超低周波地震:周期数10秒に卓越した長周期地震動から構成され,高周波数成分をほとんど含まないスロー地震現象。多くの場合,プレート境界における逆断層滑りの発震機構解を有する。南海トラフ域では,プレート境界に沿って巨大地震震源域の浅部側と深部側において,低周波微動や短期的スロースリップイベントに同期して発生。
スロースリップイベント:沈み込むプレート境界に沿って非常にゆっくり断層面がずれ動き,地震動をまったく生成せずに地殻変動としてのみ観測されるスロー地震現象。数日から1週間程度の継続時間を有するスロースリップイベントを短期的スロースリップイベント,数か月から数年の継続時間を有するものを長期的スロースリップイベントと呼ぶ。短期的スロースリップイベントはひずみ計や傾斜計,長期的スロースリップイベントはGPSで検出されることが多い。長期的スロースリップイベントは巨大地震震源域と深部低周波微動域の間の領域を震源とし,発生間隔は数年から10年程度,継続時間は数か月から数年程度である。短期的スロースリップイベントは低周波微動や超低周波地震と時空間的に同期して発生し,継続時間は数日から1週間程度,発生間隔は数か月程度。
なお,低周波微動と超低周波地震,短期的スロースリップイベントが時空間的に同時発生する現象はETS(episodic tremor and slip)と呼ばれる。
執筆者:小原 一成
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
「低周波地震」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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