日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーダングラス」の意味・わかりやすい解説
スーダングラス
すーだんぐらす
Sudan grass
[学] Sorghum × drummondii (Nees ex Steud.) Millsp. et Chase
Sorghum sudanense (Piper) Stapf.
イネ科(APG分類:イネ科)の一年草。アフリカ原産で、最初に発見されたのがスーダン地方なのでこの名がある。モロコシの近縁種で、高さ2メートルになり、地際から多くの枝を出して株状となる。葉身は長さ30~50センチメートル、幅1~3センチメートル。初秋、茎の先に、まばらに穂をつける円錐(えんすい)花序を出す。種子は長さ3~4ミリメートルの楕円(だえん)形で、淡黄色から淡紫色の光沢のある穎(えい)に包まれる。茎葉を飼料とするため栽培され、おもに乾草やサイレージ(埋蔵飼料)として利用する。青刈りを利用する場合には、若い茎葉に青酸が含まれることがあるので、いったん乾かしてから与える。20世紀初めにアメリカに導入され、品種の改良がなされ、日本には第二次世界大戦後に導入された。暖地用牧草として普及し、関東地方以西では空き地などで野生化もしている。
[星川清親 2019年8月20日]