ソウシジュ(読み)そうしじゅ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソウシジュ」の意味・わかりやすい解説

ソウシジュ
そうしじゅ / 相思樹
[学] Acacia confusa Merr.

マメ科(APG分類:マメ科)アカシア属の常緑中高木。タイワンアカシア、タイワンヤナギ、またはホタルノキともいう。葉は葉身を欠き、葉柄の部分が扁平(へんぺい)になった仮葉を互生する。仮葉は披針(ひしん)形で鎌(かま)形に曲がり、長さ8~10センチメートル、3~5本の平行脈がある。花は葉腋(ようえき)につき、5月ころ、黄色で径1センチメートルの多数の小花が集まった6~8センチメートルの球状の頭花を開く。豆果は扁平で長さ5~10センチメートル、7~8個の種子がある。台湾、フィリピン原産。沖縄に1906年(明治39)、防風、緑肥用として導入され、現在は野生状のものもみられる。小笠原(おがさわら)でも野生化している。原産地では二次林に多いという。街路樹にもよい。材は堅く、器具材、工作材、杭(くい)、薪炭材とし、樹皮タンニンを含み、革なめしや染色に用いる。

[島袋敬一 2019年10月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソウシジュ」の意味・わかりやすい解説

ソウシジュ(相思樹)
ソウシジュ
Acacia confusa

マメ科の常緑高木。フィリピン原産で,中国,台湾をはじめ熱帯各地で街路樹として栽植されている。高さ 15m,直径 80cmに達する。葉は互生し,表裏区別はなく,濃緑色で長さ9~12cm,幅1~1.5cmほどで鎌形に湾曲している。春に,黄色で球状の頭花を多数腋生する。頭花を形成する個々の花は非常に小さく,花弁は鱗片状でとがり,多数のおしべが花外に突き出す。この種を単にアカシアと呼ぶこともあるが,アカシア属 Acacia熱帯地方に数百種もある大きな属である。

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