ソコト(読み)そこと(英語表記)Sokoto

デジタル大辞泉 「ソコト」の意味・読み・例文・類語

ソコト(Sokoto)

ナイジェリア北西部の都市。ソコト州の州都ニジェール川の支流ソコト川沿いに位置する。19世紀初頭、フラニ族のウスマン=ダン=フォディオがソコト帝国を築き、首都を置いた。同国北部のイスラム教中心地として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ソコト」の意味・わかりやすい解説

ソコト
Sokoto

西アフリカ,ナイジェリア北西部の都市。人口20万(1995)。ニジェール川の支流ソコト川にのぞみ,鉄道によってラゴスと結ばれ,空港もある。サハラ南縁の乾燥した原野にあり,ラッカセイ,家畜皮革類の集散地で,製革(なめしや染色),陶器セメントなどの工業もある。この地域はハウサ族の世界で,14世紀からイスラム化し,多くのハウサ国家が出現したが,1804年フルベ(フラニ)族指導者ウスマン・ダン・フォディオ反乱を起こし,08年ソコトを首都とするフラニ王国を建設した。ウスマンの後継者はソコトのスルタンとなり,ソコトは周辺の広大なイスラム社会の宗教的聖地となった。1903年イギリスの支配下におかれたが,今もイスラム都市の性格を強く残している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソコト」の意味・わかりやすい解説

ソコト
Sokoto

ナイジェリア北西部の中心都市。ザリア北西約 340km ,ニジェール川の支流ソコト川にのぞむ。古来サハラ隊商路の小村であったが,19世紀初期にフラニ族の軍事拠点となり,1809年フラニ族がハウサ族の諸王国を吸収して建設したイスラム王国の首都となった。両族のイスラム信仰の聖地。皮革製品の産地として知られ,特にモロッコ皮原料となるアカヤギの皮は有名。ギニアコーン,ミレット,米,ナンキンマメ,綿花,タバコ,ロバ,ラクダ,ウマ,ラバなどの集散地。人口 18万 900 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソコト」の意味・わかりやすい解説

ソコト
そこと
Sokoto

西アフリカ、ナイジェリア北西部にある都市。ソコト州の州都。ニジェール川支流のソコト川沿岸に位置する。人口19万9900(1995)。セメント、皮革、織物などの工業が立地し、周辺の家畜取引も行われる。1808年、フラニ人の指導者ウスマン・ダン・フォディオが、イスラム聖戦(ジハード)によってソコト藩王国を建設し、その首都をこの地に置いた。イスラム都市の性格を残しており、町の北東部に王宮がある。ラマダーン(断食月)明けのサラー祭は有名。

[島田周平]

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百科事典マイペディア 「ソコト」の意味・わかりやすい解説

ソコト

ナイジェリア北西部の都市。ニジェール川支流のソコト川に臨む。米,綿花,家畜,皮革などの集散地。ラゴスへの鉄道,空港がある。住民ハウサ人,フラニ人が多い。18世紀末ハウサ人のソコト国家を破って建国したフラニ人のイスラム国家(ソコト太守国)の主都となり(1903年まで),現在もそのスルタンが住む北部ナイジェリアのイスラム文化の中心地。19万9900人(1995)。

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